工房に入った建具たち。
工房アイドルTTG5のディティール集です。
こういうのは、納まり考えるは結構簡単で、作るのは難しい、
言うは易く行うは難し、というやつですね。
という訳で、建具を制作してくれたao factoryのあつお君には感謝です。
枠は切り欠いて、しっかり厚みは持たせながらも、見え寸は12mmの細っそりとした枠。
台形窓のつなぎ部分。
こちらも12mmのほっそり枠。ガラスは上面から滑らせ、ガラスの留め木不要にして、
さっぱりした収まりに。
こちらの建具もガラスを上面から滑らせる。
枠はテーパーとって、すっきりと。
正面の窓。こちらも上面からガラスを滑り込ませ仕様だけど、ペアガラス。
クリアランス0でペアガラスが入ってます。
あつおくん建具は初めて作ると言ってたけど、初めてでこんなの作れるの
信じらんない。いやはや有難いです。
内側と外側が繋がるように意図して、外からの見えの寸法は
自然界のサイズバランスで。
部屋の真ん中の建具。壁と建具の中間的な存在になるように、
ファニチャーリノリウムを使う。最初は床もファニチャーリノリウム使おうと
考えてた位、好きな素材。学生時代から、いつか使いたいと考えておりました。
工房アイドルと最初に書きましたが、冗談でもなんでもなく、僕にとっては
本当にそんな存在になりました。
2019.4.17
TTG5
2019.4.17 |
note
2019.4.15
復活
ず~っと、ずっと言いたかった一言を言います。
復活しました!
これまで、作業再開と、ごにゃごにゃした言葉で書いておりましたが、
工房に建具も入り、ビニールシートも取り払われ、
落ち着いた状態で、制作出来るようになりました。
これを復活と呼ばず、何という。
復活までの9ヶ月、とっても長かったです。
自分の中では、制作再開までの3ヶ月は前半戦。
そこからは後半戦と呼んでおり、
後半戦がなかなか、厳しい時間でした。
なんだか自分がすっからかんになったような気もします。
ですので、復活し、これからしっかりと歩んでいきたいという思いから、
ブログ書いております。
前半戦は、前にも心情を書いておりますので、
ここでは書きませんが、
後半戦の事についてはあまり書いてなかったと思います。
今でもどう書いたら、良いのかは少々戸惑っておりますが、
書きます。
後半戦は、言うならば宙ぶらりんな時間でした。
水没して2ヶ月くらいの時に、災害関係の本を呼んで、
精神状態などがどのようになるのか、知っておこうと思い、
何冊か読み、中井久夫さんの「災害がほんとうに襲った時」という
本の中に、4ヶ月の壁の話がありました。
緊張状態が続くと、4ヶ月くらいで伸びきったゴムのようになる、
と書いており、そうならないよう注意しようと、なるべく休み、リラックスするように
心がけておりましたが、
やはり、私も人間。休んだとて、やってきました。4ヶ月の壁が。
12月位から、急にキツくなってきました。
通常の時であれば、建具がなくても先に進もうと思えるのですが、
新しく上がった革が、根本から見直さなくては、というものでしたし、
革自体も磨きが入りにくかったり、今までの作り方ではうまくいかず、
制作に1.4倍くらいかかるようになりました。
革のベースを実験的に試したり、薬剤を研究したりして
制作やら、革やらのベース部分の見直しが必要になりました。
となると、活動のベース部分が揺らぎ、
この状況では先に進むより、空中分解しないよう、
しっかりと目の前の事に取り組もうと思いました。
制作に時間がかかるなら、じっくり時間をかけて、
革の見直しも一つ一つ、丁寧に。
そして、建具が入って、一つ終わったら、また一つと進めて行こうと
決めました。
アントニオ猪木はこう言ってます。
「ピンチというのは、ひとつのものじゃなくて、いろんなヤッカイな事がダマになって
やってくる。だからみんな負けちゃう。そのダマを一つずつやっつけていけば、
ピンチってのは必ず乗り切れる。」と
なので、僕が一つ一つというのは、ピンチの乗り切り方に
アントニオ案を採用したからです。良い言葉を覚えているものですね。
そして、建具は当初12月に入る予定でしたが、
おそらく様々な理由で5、6回くらい延期になりました。
建具が入ったら次に行こうという、目標設定が肩透かしをくらって、
なかなか前に進んで行かない。「この日に入る!」っていう日程が
遅れるほど、その回数が増えるほど、厳しさは増していったように思う。
建具は大学の友人に頼んでおり、12月に友人は大きな怪我をしてしまい、
お見舞いに行ったのですが、しみじみと「お互い今年は不思議な年だったね。」
と振り返しました。
別に誰も悪くないし、工房に入った建具を眺めていると、
とっても良い仕事をしてくれたと思う。これからの時間を支えてくれるだろうと
感じる。
共同で何かを作る喜びや、デザインすることの楽しさも存分に味わった。
自分が共同作業がこんなに好きだったんだ、
デザイン楽しい!というのはすごく新鮮な発見でした。
改めて、時間がたった今、自分には何が出来たんだろう、
と問いかけてみる。
今から考えれば、建具がなくたって、いろいろ先のことやれば
良かったじゃん、とも思う。でも当時は、そんな延び延びになるとは
つゆ知らず。
それでも、自分に出来た事と言えば、おそらく自分の事を伝える事だったと
思う。キツイならキツイと伝え、しっかり自分の事を伝えても
何も変わらなかったかもしれないけど、それでも、伝える事が大切だった。
改めて思い返すと、これまで自分の事を伝える事は、あまりやってこなかった
ような気がする。自分で何とかする、と全部自分の肩に乗っけていた気がする。
怪人ショイコマーってやつです。
僕が後半戦で学んだ事があるとすれば、伝える事の大切さです。
なので、その部分は変わりたいと思います。
そう思うから、こうやってありのまま書いている訳です。
(変化しまっせっていう、宣言みたいなものです。)
本当は、
ふっっっっかぁ~~つ
って復活の際には書こうと&書きたいと思ってましたが、
少し静かに、復活しました。ってのが今の気分です。
とにもかくにも、活動が止まると、流れみたいなものも
止まる。過去の事は水に流して(ブラックジョーク?)
ひとつひとつ動かしていきたいと、思う所存でございます。
2019.4.15 |
note
2019.3.21
TAPIR レーダーバルサムの変更について
ANDADURAでお取り扱いしております、
TAPIR社のレーダーバルサムの価格と成分が変更になりました。
レーダーバルサム 1,500円 → 1,600円+税
になります。
成分の変更につきましては、TAPIR社からの文章をご覧下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
原材料の一部に変更がありますのでお知らせします。
現在までに使用している原材料に加えて、
ドイツの大学と持続可能社会へ向けた資源の利用というテーマで、
ドイツ・タピール社は共同研究を進めています。
その中で、砂糖キビの搾りかす、いわゆるバガスから得られる油脂分である
シュガーケーンワックスを使用することになりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これまでのレシピに、シュガーケーンワックスが加わっております。
実際に使用して試してみましたが、
使用感はこれまでと変わらない印象でした。
レーダーバルサムの変更のお知らせでした。
2019.3.21 |
information
2019.3.8
ブリコラージュ型紙かけ
簡易型紙かけをちゃんとしたものに先日作り直しました。と言っても
10分位で出来ました。
前にクランプでとりあえず作ったもの。
パイプとなにかしらの配管パーツ
余っていたZライトの受けパーツ
あり合わせで、ものを作る快楽よ!
10分位で出来ました。
前にクランプでとりあえず作ったもの。
パイプとなにかしらの配管パーツ
余っていたZライトの受けパーツ
あり合わせで、ものを作る快楽よ!
2019.3.8 |
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2019.3.6
わたくしの反リトルピープルモーメントの打ち立て方
我輩は工房である。窓はまだ無い。
というわけで、ビニールシートライフが続いております。
強化ガラスの生産が全国的に遅れている(ほんまかいな)らしく、
またもや延期。建具が取り付く段になると、いろんな事が巻き起こり先に進めない、
人参をぶら下げられた馬のような心境です。
そして、思った事。
リトルピープルはいる。(1Q84)
今回も建具をつけさせない勢力が
またしても良い仕事をしてくれた。
1Q84では、リトルピープルに対し、夢の中でふかえりちゃんと
交わり、反リトルピープルモーメントを打ち立てるのだけど、(読んでない人すみません)
僕はどのように反リトルピープルモーメントを打ち立てるのかというと、
そう、新作を作るんです。新作作りという、非現実空間で
リトルピープルに対抗する。
ここ2日は戦っておりましたよ、実に。
ここまで、延び延びになると、ほんと戦いの様相を帯びてくる。
冬の間は、工房で作業していると思うから、寒さが堪えるのであって、
外で作業していると思えば、少しは気持ちが楽なのでは、と思い立ち、
制作の事を、「野外活動」と呼び、そんな小手先で乗り切ろうと目論んで
おりましたが、そりゃ、どだい無理ですわ。
あっ、物理的アプローチとしてブルーシートを隠すべく、
カーテン付けました。付けた瞬間に「透けるんかい!」ってツッコミましたが・・・
リトルピープルとの戦いで、新しいの10型作って、
削って5型生まれました。
最近の新作作りは、切り口だけ決めて作っていくと、
どんどん作りたい形が出てきて、思うがままにとりあえず作る。
今回は時間的制約もあり、10型で一度筆をおく。
それを削ったり、個々同士をフィードバックさせながら複数同時進行する作り方に
なってます。
いつも新作作るときは、アルバムをリピート再生にしますが、
今回は別野加奈さんのforget me notをリピート。すごく良いアルバムです。
ボツボックス(ダンボール)
生き残りボックス(ポリプロピレン)
明日は通常制作に戻ります。楽しい2日間でした。
リトルピープルよありがとう。(強がり)
おまけ
網戸の納まりの図
というわけで、ビニールシートライフが続いております。
強化ガラスの生産が全国的に遅れている(ほんまかいな)らしく、
またもや延期。建具が取り付く段になると、いろんな事が巻き起こり先に進めない、
人参をぶら下げられた馬のような心境です。
そして、思った事。
リトルピープルはいる。(1Q84)
今回も建具をつけさせない勢力が
またしても良い仕事をしてくれた。
1Q84では、リトルピープルに対し、夢の中でふかえりちゃんと
交わり、反リトルピープルモーメントを打ち立てるのだけど、(読んでない人すみません)
僕はどのように反リトルピープルモーメントを打ち立てるのかというと、
そう、新作を作るんです。新作作りという、非現実空間で
リトルピープルに対抗する。
ここ2日は戦っておりましたよ、実に。
ここまで、延び延びになると、ほんと戦いの様相を帯びてくる。
冬の間は、工房で作業していると思うから、寒さが堪えるのであって、
外で作業していると思えば、少しは気持ちが楽なのでは、と思い立ち、
制作の事を、「野外活動」と呼び、そんな小手先で乗り切ろうと目論んで
おりましたが、そりゃ、どだい無理ですわ。
あっ、物理的アプローチとしてブルーシートを隠すべく、
カーテン付けました。付けた瞬間に「透けるんかい!」ってツッコミましたが・・・
リトルピープルとの戦いで、新しいの10型作って、
削って5型生まれました。
最近の新作作りは、切り口だけ決めて作っていくと、
どんどん作りたい形が出てきて、思うがままにとりあえず作る。
今回は時間的制約もあり、10型で一度筆をおく。
それを削ったり、個々同士をフィードバックさせながら複数同時進行する作り方に
なってます。
いつも新作作るときは、アルバムをリピート再生にしますが、
今回は別野加奈さんのforget me notをリピート。すごく良いアルバムです。
ボツボックス(ダンボール)
生き残りボックス(ポリプロピレン)
明日は通常制作に戻ります。楽しい2日間でした。
リトルピープルよありがとう。(強がり)
おまけ
網戸の納まりの図
2019.3.6 |
note
2019.2.7
岡山弁講座「てご編」
今年は1月から毎日少しづつ工房の手入れをしておりました。
工房見学の高校生に手伝ってもらい運んだ刻印機。
ストックルームの大きな棚なども運ぶ。
空いたスペースに新しい棚がやって来てくれました。
これは使いやすい。持ってきてくれた福本さんに感謝です。
すっきりしました。
簡易型紙かけを作る。(作る、という程のことではないけど。)
久々の失敗。
ひっくり返しの際に革が裂ける。
こうならないように、
の湿度計をセットして、見ながら行うのですが、
革がいつもよりしまっていたのが、原因でした。
最後の最後の工程なので、結構がっかり感があります。
工房のそばの斜面ですが、先週末に近所の方々と、綺麗にしました。
先々週は地域の山水の井戸の整備があったり、ここ最近はどんどん
環境が良くなっています。この辺りの方言では手伝う事を、「てご」と言います。
僕は大阪に住んでいて離れた時に、方言喋れるようにしとけば良かった。
と感じましたので、岡山弁をマスターすべく、聞き耳をたてております。
「てごしましょっか?」くらいならサラッと言えるようになりました。
2月は近所の神社の床貼りの、てごがあります。
ほんと水の確保やら、なんでもかんでも自分たちでやってしまう、
おじいちゃん集団は頼もしい限りです。
水道管なんかも80過ぎのおじいちゃんが
「昔3年がかりで水道を引いた。」と言ってるのを聞くと、
我が家で山水が使えるのも、とっても有り難く感じます。
とはいえ、よくよく考えれば、全てのインフラはそうなんでしょうね。
有難や。
「てご」は手伝うと訳されますが、よくよく聞いてると、
どこかに「お互いさま」ってニュアンスがほんの少し混じっているのを
感じます。2月は我が家の切った木を燃やすのをてごしてもらうので、
てごのしあいですね。
工房の事を書こうと思って書いていたら、岡山弁について書いておりました。
「やこう」って岡山弁もあるのですが、これはなかなか使いこなせない!
使いこなせるようになったら、ここで書きます。
工房見学の高校生に手伝ってもらい運んだ刻印機。
ストックルームの大きな棚なども運ぶ。
空いたスペースに新しい棚がやって来てくれました。
これは使いやすい。持ってきてくれた福本さんに感謝です。
すっきりしました。
簡易型紙かけを作る。(作る、という程のことではないけど。)
久々の失敗。
ひっくり返しの際に革が裂ける。
こうならないように、
の湿度計をセットして、見ながら行うのですが、
革がいつもよりしまっていたのが、原因でした。
最後の最後の工程なので、結構がっかり感があります。
工房のそばの斜面ですが、先週末に近所の方々と、綺麗にしました。
先々週は地域の山水の井戸の整備があったり、ここ最近はどんどん
環境が良くなっています。この辺りの方言では手伝う事を、「てご」と言います。
僕は大阪に住んでいて離れた時に、方言喋れるようにしとけば良かった。
と感じましたので、岡山弁をマスターすべく、聞き耳をたてております。
「てごしましょっか?」くらいならサラッと言えるようになりました。
2月は近所の神社の床貼りの、てごがあります。
ほんと水の確保やら、なんでもかんでも自分たちでやってしまう、
おじいちゃん集団は頼もしい限りです。
水道管なんかも80過ぎのおじいちゃんが
「昔3年がかりで水道を引いた。」と言ってるのを聞くと、
我が家で山水が使えるのも、とっても有り難く感じます。
とはいえ、よくよく考えれば、全てのインフラはそうなんでしょうね。
有難や。
「てご」は手伝うと訳されますが、よくよく聞いてると、
どこかに「お互いさま」ってニュアンスがほんの少し混じっているのを
感じます。2月は我が家の切った木を燃やすのをてごしてもらうので、
てごのしあいですね。
工房の事を書こうと思って書いていたら、岡山弁について書いておりました。
「やこう」って岡山弁もあるのですが、これはなかなか使いこなせない!
使いこなせるようになったら、ここで書きます。
2019.2.7 |
note
2019.2.1
何恍惚しとんねん
早くも2月。
本日は革が届く。数日前に失敗したと連絡をもらっていたブラウンの革。
「見てびっくりしないでね。」と革屋さんが言っていたので、
覚悟はしていたけれど、勿論びっくりする。
表面塗装もせず、顔料も吹き付けしない、素上げの革には全てが出る。
僕が今回ビックリしたのは、あまりにも多くのものが出ていたからで、
革屋さんも、ほんといろんなものが出過ぎですよね。
とおっしゃっていた。
現在ANDADURAの革は栃木レザー(タンナーさん)のベースを
革屋の佐藤さんに加工・仕上げを行ってもらい、まぁオリジナルの革を
作ってもらっている。
今回の失敗は前回のキャメルに続いての2連続で、
安定的に失敗するという事は、失敗の原因をつきとめるのに、もってこいなので、
革屋さんとじっくりお話をする。
そして、今回の革を見る前に、次からはベースの革を変えようと話し合っていた。
そこで、本日の革の到着である。
まぁ、たくさん出ておりました。あらゆるものが。
革の傷やスレや、しわなど、いつものものに加え、おそらくタンナーさんの
やっつけ感や、革屋さんの気合いやなど諸々、これでもかってくらい、見えた。
革のベースを変えるしかないな、と思うよりも、
そんないろいろなものを見て、美しいなと感じる自分がいる。
前回のキャメルの革は染料ムラが大きな失敗要因で、それを見ても、
使える部位が少ないな、とか、革足りなくなるから追加で頼まなきゃな、
などど現実問題を考えていたけど、
今回は、諸々を含めても「あぁ、綺麗だな。」と素材に吸い込まれているのだ。
銀河系の写真を見ているような、感覚で革を眺める。
そして、なにやら、自分が幸福感を感じている事に気がつく。
んっ、失敗した革を見て、美しいと思う自分の感性に幸福感を感じてんのか?
と自分に突っ込んでみると、どうやら違うらしく、
単純に、美しさと幸福感はすごく近い場所にあるらしい、という事に気がつく。
今回のブラウンの革は、凄い体験をさせてくれたと思う。
まぁ、失敗は失敗なので、痛手(失敗革も全て買りますので)をこうむった訳だけど、
そんな事を忘れるくらいの、ぶっ飛び体験でした。
仕事中に何恍惚しとんねん。と言われると、
顔を赤らめて、照れることしかできないけど、
一枚の革に世界を見。
一片の染料ムラに天を見る。
汝の掌に無限を据え、
一時の中に永遠を見よ。
ウィリアム・ブレイクの詩が降りてくるような、
そんな革でした。
まぁ、仕事中に何恍惚しとんねん、って話なんですけど。
本日は革が届く。数日前に失敗したと連絡をもらっていたブラウンの革。
「見てびっくりしないでね。」と革屋さんが言っていたので、
覚悟はしていたけれど、勿論びっくりする。
表面塗装もせず、顔料も吹き付けしない、素上げの革には全てが出る。
僕が今回ビックリしたのは、あまりにも多くのものが出ていたからで、
革屋さんも、ほんといろんなものが出過ぎですよね。
とおっしゃっていた。
現在ANDADURAの革は栃木レザー(タンナーさん)のベースを
革屋の佐藤さんに加工・仕上げを行ってもらい、まぁオリジナルの革を
作ってもらっている。
今回の失敗は前回のキャメルに続いての2連続で、
安定的に失敗するという事は、失敗の原因をつきとめるのに、もってこいなので、
革屋さんとじっくりお話をする。
そして、今回の革を見る前に、次からはベースの革を変えようと話し合っていた。
そこで、本日の革の到着である。
まぁ、たくさん出ておりました。あらゆるものが。
革の傷やスレや、しわなど、いつものものに加え、おそらくタンナーさんの
やっつけ感や、革屋さんの気合いやなど諸々、これでもかってくらい、見えた。
革のベースを変えるしかないな、と思うよりも、
そんないろいろなものを見て、美しいなと感じる自分がいる。
前回のキャメルの革は染料ムラが大きな失敗要因で、それを見ても、
使える部位が少ないな、とか、革足りなくなるから追加で頼まなきゃな、
などど現実問題を考えていたけど、
今回は、諸々を含めても「あぁ、綺麗だな。」と素材に吸い込まれているのだ。
銀河系の写真を見ているような、感覚で革を眺める。
そして、なにやら、自分が幸福感を感じている事に気がつく。
んっ、失敗した革を見て、美しいと思う自分の感性に幸福感を感じてんのか?
と自分に突っ込んでみると、どうやら違うらしく、
単純に、美しさと幸福感はすごく近い場所にあるらしい、という事に気がつく。
今回のブラウンの革は、凄い体験をさせてくれたと思う。
まぁ、失敗は失敗なので、痛手(失敗革も全て買りますので)をこうむった訳だけど、
そんな事を忘れるくらいの、ぶっ飛び体験でした。
仕事中に何恍惚しとんねん。と言われると、
顔を赤らめて、照れることしかできないけど、
一枚の革に世界を見。
一片の染料ムラに天を見る。
汝の掌に無限を据え、
一時の中に永遠を見よ。
ウィリアム・ブレイクの詩が降りてくるような、
そんな革でした。
まぁ、仕事中に何恍惚しとんねん、って話なんですけど。
2019.2.1 |
note
2019.1.8
2019年
2019年に入り1週間経ちましたが、
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
毎年抱負めいたことを書いてましたが、
今年は一言。
みなさん、良い年にしていきましょう!
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
毎年抱負めいたことを書いてましたが、
今年は一言。
みなさん、良い年にしていきましょう!
2019.1.8 |
note