ANDADURA

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2025.3.11

ファーストリュック 2025

 

毎年恒例、広島にあります、さざなみの森さんへ子どもたちのファーストリュックの納品に行ってきました。
 
タグをつけ、不織布に入れ、カバンをお渡しができるように、さざなみの森の松井さんと一緒に作業する。毎年恒例、手を動かしながら、いろんなお話をする。新しい試みの話、大人のあり方についての話。いのちの話。手を動かしながらのおしゃべりは話がいろんな方向に転がって楽しい。
 
 
今年はいままで使っていた生地が織られなくなったので、生地を作る(生地を選んで染色する)ところからのスタートになりました。前の生地は雲斎織という足袋に使われる生地で、同じような生地を探し出し、染色することは、自分だけだと少し不安を感じたので、生地作りの達人、ENDORの信平さんに協力いただきました。
 
ファーストリュックを制作することで、普段の領域とは違う、ものづくりをめぐる状況を見られる、年に1度の定点観測。
 
染色のロットが数メートルから出来ていたものが、1反からになっていたので、染める前の生地でサンプルを作っていただきながら、染色後の変化などは、想像しながら生地作りを進めました。
 
今回の制作では、一回性という言葉がたびたび頭に浮かびました。同じものを作り続けると言っても、毎回状況は違う一回性の出来事だということを改めてひしひしと感じました。
 
生地や資材が、どんどん廃盤になっていく中、どうやって継続しやすいようにするかを、考えることが多くなりました。制作にまつわる流れをこれまでより引いて見て、可能性に開いた状態にして、柔軟に対応できるようにしておく。そのことがらについても、対話し共有しておく。これまでとは違う筋肉が必要になってきているのを感じます。
 
そんな中、生地やファスナー、ショルダーのテープ、糸や、プラパーツなど、作って下さっているメーカーの方々にも、ありがとうございますと、大きな声で伝えたいです。
 
リュックの縫製をして下さっている、Sally-ally の長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。さまざまなことが起こるなか、対話を重ねて進めることができたことに手応えを感じました。
 
ものごとが流れにくくなっている一回性の状況に、よきことを見出そうとするならば、対話する必要性が生まれている、ことかもしれないと思いました。どちらかの意見を押し通すのではなく、それぞれが思っていることを率直に話し、お互いに納得できる落とし所を探す。そんな姿勢を意識した、今年のファーストリュックの制作でした。
 
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、今年もありがとうございました。
 
今年も無事納品できてホッとしています。
 
(写真の園舎は、0歳から2歳の施設、さざなみノイエです。)
 
 
 
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