ベージュのアイテムたち、HP & online shopにアップしました。
ベージュの革作りは、去年の4月頃より始めました。
その1ヶ月前の3月に行った展示会で、ANDADURAのアイテムを眺めていて、
何か腑に落ちなさを少し感じました。その時はその違和感が何なのか分からぬまま、工房に戻りました。
「あの違和感って何なんだろう」と頭の片隅で思いながら制作していて、1週間ほどしてハッと気がつきました。「色だ!」と。そのシーズンは軽やかで明るいカラーの服などが並んでいて、その空間の中で、ブラウン系が2色というのが、少し、重く感じたのだなと。
かといって、定番3色で制作しているので、どういう状況でも、定番の3色をベースで展示するしかない。そういうあり方に、少し柔軟性を持たせたいと思いはじめました。
2色の定番色に1色の流動色であれば、ある程度はその時の自分に合った色になるのでは、そうなると、2色の定番色は、どんな流動色がきても支えてくれる色味にしたい。
その時に、すぐに頭に浮かんだのが、独立当初より希望していたベージュでした。
すぐに革屋の佐藤さんに連絡しました。「昭南のベースだったら赤みがあるので、いけるかも」という楽観的観測のもと、ベージュの革作りがスタートしました。
革屋さんに理想の色味のサンプルを送り、サンプル制作が始まりました。ひとまず、理想を伝える色味のものは、時計のベルトで、顔料染めのものでした。
染料染めでは、それとは違う色になります。染料で染められる中での理想のベージュを見つける旅が始まりました。
革が届き、実際に制作し、要望を伝える。そうやって、色味を希望に近づけていく。といっても染料で染められる色の幅も分からないので、「この色です」と指定することもできないので、手探りで探す。ここから始めよう、とこうやってリリースしても、ベージュの革のアイテムの写真を撮ったり、文章を書いたりと、さまざまな視点から見ることで、色の捉え方が揺らぐところもあります。ずっとサンプルを作って理想に近づけていても、その時々で理想の色味も微妙に変化していく。
ここから先は、実際に出してみて、革を作る回数を重ねる中で、定めて行きます。定めるといっても、その時々で変わるんですけど、ひとまずは、ここからはじめてみます。
あいかわらず、着地させるまでに、やたらと時間がかかる性質です。展示会で感じたささやかな違和感はベージュという色になりました。
その他の色もいくつか写真を撮り直しましたので、少し見やすくなっているかと思います。よろしければ、HPなど、ご覧いただけますと嬉しいです。