展示のタイトルは「ペチカ」です。
展示に合わせ、オカズさんとPECHKAという名前で協働でものづくりをしました。
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PECHKAについて
PECHKAは感覚に寄り添う道具を作っています。
ペチカは家を暖める大きな暖炉です。
人々が集う食卓であり、病を癒し体を健やかに整える寝床でもあります。
生活の中の祈りの場として、人々の誕生から死の傍にペチカはありました。
感覚をつかうその先に、あるいは、その中にある祈り。
その静けさにPECHKAの道具が寄り添えたらと思います。
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PECHKAの道具を作る時、頭の片隅にあったのは、「なる」という言葉でした。
「作る」という行為の手前に、あるいはその周辺に漂う、ものが「なる・なろうとしている」気配のようなものを、手を動かしながら探しました。
「なる」ことだけで、ものを作るには僕(人間)には意識がありすぎます。それでも、感覚に寄り添う道具になるために「なる」という動きの輪郭を感じる必要があったように思います。
うまくできたか分かりません。そもそも「なる」にうまくできるも、できないも無いのかもしれません。かたちになりましたので、ぜひご覧いただけたらと思います。
PECHKAで作ったものは、また改めて紹介できたらと思います。
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ANDADURA個展「ペチカ」
11月の展示はANDADURA ・山本祐介さんの初個展となります。
鞄や財布、小物など多岐にわたる作品を革を中心に生み出し続ける山本さん。
以前は空間設計を仕事とされ、建築を作るように細やかに設計されるその作品からは、質の高い素材感と抑制された機能美、ほのかな愛嬌を感じます。
実際に財布を数年前から使い続けていますが、これまで使ったものと比べて驚くほどヘタリもなく、いかに素材に寄り添い、考え抜かれて生まれたものかを実感しています。
飄々とした雰囲気をまといつつ鋭い観察眼を持ち、理性と感性が入り混じった山本さんご本人も作品同様とても魅力的で、個展に向けてこつこつと逢瀬を重ねてきました。
話し合いや試作を重ねる中で、ロシアの暖炉である「PECHKA(ペチカ)」を展示イメージとし、台所や食卓にそっと佇む美しく心地よいミトンが誕生。
ANDADURA定番の財布や鞄とともに、会場に並びます。
山本さんとはこの個展だけに留まらず、PECHKAの活動を長く続けていきたいねという話も早くも出ています。
作り手であるANDADURA、使い手であるオカズデザイン。
二組を中心としながらもそれに留まらず、作品によっては他の作り手や使い手も交え、楽しみながら試行錯誤していきたいと思います。
(カモシカさんHPより)
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※PECHKAが生まれた経緯について、こちらに書いています。
※PECHKAの道具たちはこちらからご覧いただけます。