ANDADURA

BLOG

2010.10.25

引っ掛けたくなるキーホルダーの出来るまで

本日も曇天。

ですので今日はどんな感じで作っているかを少し紹介します。


新作キーホルダー。密かなテーマは「ひっかける」と「儀式」。


キーケースの形を導く為の過程。一部です。にしても沢山捨てたなー。
「ひっかける」形を追ってゆきます。ひっかけたくなる形を探るため、
穴のサイズ、位置、全体のバランスを追ってゆきます。
「ひっかけたくナーレ、ひっかけたくナーレ」と呪文のように唱えながら…
田舎のおばあちゃんが、久々の孫にスープを作る時、木べらで鍋をかき混ぜながら
「おいしくナーレ、おいしくナーレ。」とこんなイメージが頭に浮かぶ。
ここは、焦らず時間をかけてじっくり、と。


だいぶ煮詰まってきました。ここまでくると、左の紙のように、白い紙で隠したり、
見えを変えながら、形を詰めてゆきます。


細かい要素を調整しながら、詰めてゆきます。ここまでくると、同じ形に見えますが、
それでも、「ひっかけたくナーレ。」と最後まで手を抜かずに。


そして、出来ました。ひっかけたくなるキーホルダー。
ドアにフックをかけたり、いつもの位置にひっかけて…

もうひとつのテーマは「儀式」。
例えば僕が家に帰る前に、電車で多摩川をこえます。川をこえるという事で、
「嗚呼、帰ってきたな」と思えるのです。

それと同じで、家に帰り鍵を引っ掛ける事で、
「家に帰って来たな。」と思えるようなモノにしたい、という欲張りな気持ち。

キーホルダーの形を導くのに一ヶ月…
ひとつのモノを作るのに、こんなにも向き合って作れる事が、贅沢だな、と
思いました。おそらく見ても変わらないような部分にも時間を費やし、
なんとも有難いな、といろんなものに感謝の気持ちすら芽生えてくる。

明日は曇りのち晴れ。
おそらくアップ出来る事でしょう。

そして、このブログを書いてる間に「ひっかけ隊」と称し、近所のいろんなものに
引っ掛けてみようと思いつきました。ひっかけ隊ブログもお楽しみに。
大坂の「引っかけ橋」で写真撮影したいな、と心が旅へと揺れるのを、ぐっと
押さえるのでした。
2010.10.25 | note
page top