ANDADURAの革は2010年の独立当初より革屋の佐藤さんと共に作り上げてます。
革のベースとなるタンナーさんをいろいろ試したり、工程を変えたり、その時々で
一番いいと思う作り方で革を作ってきましたが、表だけでなく、裏面を仕上げるという
やり方はずっと変えずに行ってきました。写真右が革の裏面。
通常のやり方では、革を仕上げた後に、革の厚みを調整する革漉きを行いますが、
ANDADURAの革は最初に漉いて、そこから仕上げていきます。
それにより、裏面もキッチリ仕上がった革になります。
ANDADURAの製品は裏張りなど、自分が余計だと思うことはしていないので、
余計なことをしない代わりに裏を仕上げています。
通常のやり方は通常のやり方の良さがあり、安定的に革を作れますが、
それぞれに一長一短があります。どっちを取るかかと思います。
最後に漉くと、厚みのブレは漉き加工の精度のみのブレですが、
最初に漉くと、染色やら、表アイロン、裏アイロンなど、様々な工程の中でブレが大きくなってきます。革をしめるプレスアイロンで革がしまり、季節やロット、タンナーの種類、原皮などでしまる割合は異なり、厚みがブレてしまいます。
ですので、1枚1枚の厚みを変えて、ブレても許容できるように工夫しています。
その上で在庫は多めにもっておく、というやり方をしてます。
今になって思うと、これって知らないから出来たことだなと思います。
いろいろ知識があったり、その後の苦労が分かったりすると、躊躇して出来なかったと感じます。
とはいえ、いろいろ考えるきっかけにもなりましたし、胆力のようなものも
今になって思うと、これって知らないから出来たことだなと思います。
いろいろ知識があったり、その後の苦労が分かったりすると、躊躇して出来なかったと感じます。
とはいえ、いろいろ考えるきっかけにもなりましたし、胆力のようなものも
ついたので、いい選択をしたと思います。
この選択の元にあるのは、
「現時点でバウハウスは可能か?」という問いでした。
バウハウスはデザイン運動ですが、特異な点は、
手工芸的な土台がある状態でデザインという眼差しでものを作ったという、
思想と時代の絶妙なクロスオーバーだと思います。
バウハウス建築なんか、裏面のネジなんかをしっかり出しているのも、
見えない部分もしっかり作られているから出来るわけで、裏仕上げをするかどうかを考える際、グロピウス設計の窓の事を考えてました。
そんなわけで、チラリと革の裏側も見ていただけたらと(ひそかに)思っています。