ANDADURA

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2010.6.4

土井さんの話

以前ある人に、「プロダクトと作家のちょうど良い間にいるね。」
とおっしゃって頂いた事がある。アンダデューラのモノを見て頂いた時の話である。

嬉しかった。

プロダクトよりは暖かみを持たせたいし。
作家という程、個人のモロモロを反映させたくはないし。(というか、自然にでればと思うので。)

常々思っていることである。だから嬉しかったのである。

そんな事を思ってたら、土井さんの事を考える。
土井さんは僕の中の工場長である。

土井さんは、電車を乗り過ごす事も無いし、
ましてや、反対方面の車両に乗り込む事も無い。
天候によって、気分が著しく変化する事も
スキップしながら、鼻歌を歌いながら夜道を散歩する事も
パスタを茹ですぎる事も無い。

そう、土井さんは、現実の人なのだ。

僕の中の現実の人、土井さん。

土井さんはピシャリと言い放つ
「かっこ良いなんて、結果論だ。」
「かっこ良いなんて、モノを成り立たせる要素の一つでしかない。」

そう、土井さんは総合の人でもある。

僕の中の総合的人格、土井伸二(フルネーム!!)。

土井さんは工場を回してゆくため、
いろいろな事を考える立場にいる。
クレームがくれば、丁寧に真摯に話をし、
納期が厳しければ、外に仕事を回したり、
そんなもろもろが、得意なのだ。

僕が、かっこいいを求めすぎると、
「おまえさぁー、かっこいいなんてもんは…」
と、言い放つ。

そんな土井さんが、煩わしい事もある。しかし仕方が無い、
僕だって土井さんを頼りにする事だってあるのだ。

確かに、カッコいいなんて、一つの要素だと思ったりもする。(土井さんのせいだ)
自分でそっち(かっこいい)になびき過ぎてるな、と感じた時は、

「土井さん!!作業着」
と土井さんに作業着を脱いでもらい、心に作業着を着る。

土井さんは、そういう事に無頓着だから、作業着は汚い。
ヒゲだって、いつも、季節はずれのつくしの様にまばらに生えている。

土井さんの作業着を着た僕は、
想像で、新宿駅に飛ぶ。新宿駅で汚い作業着姿の自分。特に用事も無く、
ただただ、佇む、作業着の僕。

うん。限りなく孤独だ。孤独でいて切なくもある。
切なくてリアルだ、現実だ。土井さん的日常だ、と思う。
そうすると、自然に
「かっこいいなんて、モノを成り立たせる、要素の一つでしかない。」
と体得できるのだ。

だから
「プロダクトと作家のちょうど良い間にいるね。」
という言葉は
「土井さんとヤマモトのちょうど間」と読み取る事も出来る。

土井さんと僕の共同作業。


とここまで書いて、二重人格的な文章はなんなんだ、と思いはじめた。
ひかれるではないか。これでは

しかし、「気持ち悪さも、一つの側面さ。」と言う土井さんに背中を押してもらいアップします。

しかし、次回は、土井伸二としてブログを書いてみたくなりました。
乞うご期待。(時期未定)
2010.6.4 | note
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