ANDADURA

BLOG

2025.3.19

定番の革の原皮の変更について

ANDADURAの定番の革に使用する原皮(塩付けされた鞣される前の皮)を変更いたします。
鞣される革の前の原皮の産地の変更という、細かいことですが、お伝えさせていただきます。
 
ANDADURAの現在の定番の革は、昭南皮革というピット鞣し(プールのようなピット槽につけ鞣す鞣し方)で革を鞣すタンナーさんの作ったヌメ革をベースにして、個人で革屋をされている佐藤染革の佐藤さんに、染めと加工をお願いをして作ってもらっている革を使用しています。
 
昭南皮革の作るヌメ革の原皮の産地は北米産のものを使用しています。
少し前から、北米産の原皮のヌメ革がなかなか手に入らない状況が続いていました。その状況は今も変わらずに続いています。
これまでは、たくさんある北米産のヌメ革の中から、良いものをある程度(いい革ばかり選ぶと問屋さんに残る革のバランスが悪くなるので、選びすぎないよう選び)選んで革を作ってもらっていましたが、北米のヌメが品薄になり、今後は手に入るにしても、残り物を使わなくてはいけなくなることが予想されました。北米のヌメ革の入手に3ヶ月くらいの時間がかかる可能性も出てきました。
 
そこで、革屋の佐藤さんと相談して、地生と呼ばれる、日本国内の原皮を使った昭南皮革の革をベースにすることに、切り替えることにしました。
地生のヌメ革であれば、これまで同様に、良いものを(ある程度)選べることで、材料のストックがスムーズになること、革屋の佐藤さんも、この地生の革に可能性を感じていることから、試しに革を作り、お財布を作ってみて、僕自身も納得しましたので、原皮を国産の地生に切り替える判断をしました。
 
↑左が地生の原皮
 
これまでもANDADURAでは、栃木レザーのベースで、北米ヌメと地生ヌメなど、その時々で一番良いと思う素材を選択して、変化しながら革作りをしてきました。
 
タンナーさんは同じで、原皮の産地が違うだけなのですが、昭南皮革の北米産のヌメと、地生のヌメでは入れているオイルの量が違いますので、原皮を変更することは、お伝えしておいた方がいいように思いました。
 
これまでの北米の原皮は、さっぱりとオイルを入れていましたが、国産の原皮はしっかりオイルが浸透しているものになります。
どちらの革がいいわるいという話ではなく、それぞれの特性がありますので、これまでと同じように、佐藤さんと相談しながら、その革の良さが出るように試行錯誤していきます。
 
オイルの量による違いですが、浸透系のオイルは抜けにくいので、乾燥しにくく、経年変化は早くなります。オイルが抜けにくいので、革の良い状態が保たれ、強度につながりますが(※佐藤さん談)、オイルの分だけ、ほんの少し重たくなります。
 
原皮の切り替えのタイミングをネイビーとベージュで合わせることは難しいので、まずはネイビーから切り替えていきます。
今回作った革で、地生の原皮ベースの革作りの着地点が見えましたので、原皮の変更について、お伝えさせていただきます。
 
原材料の事など、状況は目まぐるしく変化しています。
この変化を良きものにできたらと、革作りに向き合っていこうと思っています。
 
 
 
 
2025.3.19 | information material

2025.3.11

ファーストリュック 2025

 

毎年恒例、広島にあります、さざなみの森さんへ子どもたちのファーストリュックの納品に行ってきました。
 
タグをつけ、不織布に入れ、カバンをお渡しができるように、さざなみの森の松井さんと一緒に作業する。毎年恒例、手を動かしながら、いろんなお話をする。新しい試みの話、大人のあり方についての話。いのちの話。手を動かしながらのおしゃべりは話がいろんな方向に転がって楽しい。
 
 
今年はいままで使っていた生地が織られなくなったので、生地を作る(生地を選んで染色する)ところからのスタートになりました。前の生地は雲斎織という足袋に使われる生地で、同じような生地を探し出し、染色することは、自分だけだと少し不安を感じたので、生地作りの達人、ENDORの信平さんに協力いただきました。
 
ファーストリュックを制作することで、普段の領域とは違う、ものづくりをめぐる状況を見られる、年に1度の定点観測。
 
染色のロットが数メートルから出来ていたものが、1反からになっていたので、染める前の生地でサンプルを作っていただきながら、染色後の変化などは、想像しながら生地作りを進めました。
 
今回の制作では、一回性という言葉がたびたび頭に浮かびました。同じものを作り続けると言っても、毎回状況は違う一回性の出来事だということを改めてひしひしと感じました。
 
生地や資材が、どんどん廃盤になっていく中、どうやって継続しやすいようにするかを、考えることが多くなりました。制作にまつわる流れをこれまでより引いて見て、可能性に開いた状態にして、柔軟に対応できるようにしておく。そのことがらについても、対話し共有しておく。これまでとは違う筋肉が必要になってきているのを感じます。
 
そんな中、生地やファスナー、ショルダーのテープ、糸や、プラパーツなど、作って下さっているメーカーの方々にも、ありがとうございますと、大きな声で伝えたいです。
 
リュックの縫製をして下さっている、Sally-ally の長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。さまざまなことが起こるなか、対話を重ねて進めることができたことに手応えを感じました。
 
ものごとが流れにくくなっている一回性の状況に、よきことを見出そうとするならば、対話する必要性が生まれている、ことかもしれないと思いました。どちらかの意見を押し通すのではなく、それぞれが思っていることを率直に話し、お互いに納得できる落とし所を探す。そんな姿勢を意識した、今年のファーストリュックの制作でした。
 
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、今年もありがとうございました。
 
今年も無事納品できてホッとしています。
 
(写真の園舎は、0歳から2歳の施設、さざなみノイエです。)
 
 
 
2025.3.11 | information products

2025.3.6

「ANDADURA展」at cotogoto(東京)

 

3月28日から4月7日のあいだ、高円寺にあります、cotogotoさんで展示を行います。
去年のグループ展の時に、お声がけいただき、今回は「ANDADURA展」になります。

 

個展のお誘いをいただいてから、レンタルのお財布をお送りして、全てのお財布を実際に使っていただいた上で、メールでやりとりしながら、アイテムの選定をしていただきました。

 

cotogotoの栗原さんは、ブログや冊子やAYANO REPORTも読んでいただき、ポッドキャストまでも聞いて下さっていて、ひとつの展示に向けての熱量を感じました。熱を感じながら制作をできることが、ほんとうにありがたいです。紹介いただいた文章も読んでいて嬉しくなりました。

 

今回はお財布、小銭入れなどは、ベージュとネイビーに絞っての展示になります。新たに2色にしますと言いながらも、展示する際は、ついついたくさん色を用意していたので、ベージュとネイビーの2色が並ぶ姿を展示で見るのは初めてで、自分がどう感じるのかも楽しみです。

 

29日は13時から18時頃までお店におります。3月の末は気候も良さそうですので、遊びに来ていただけると嬉しいです。

 

onlineと実店舗での開催となります。ともによろしくお願いします。

 
展示の詳細はcotogotoさんのお知らせページをご覧ください。
 
 
「ANDADURA展」
会場:cotogoto 
東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
日時:3月28日(金)~ 4月7日(月)
営業時間:11:00ー19:00
3月29日(土)13時頃から18時まで在店します
 
 
2025.3.6 | information

2025.2.28

mouse pad

 
スーパー楕円のマウスパッドを制作しました。
 
作りましたと言っても、ANDADURAを初めてすぐに作ったものなので、14年前に作ったもの。その後、たまにオーダーいただいき、制作していたものです。
 
制作した、その時のことを思い返してみると、「中間」とか「間」をすごく意識しながらモノを作っていた気がする。
中間というものは設けられているわけでもなく、何かと何かの間に、ピンを落とし見出すものだと考え、さまざまな中間を探していたように思う。
 
マウスパッドを作った時のブログを読んでみると、




なぜ中間がこんなに好きなんだろうかと考えると、中間というものが、作られたモノだからという気がする。
楕円や四角は元々あるがその間には深い溝(というより別々に存在している)があり、そこに中間を見いだそうとする事で、中間というものが出来るのである。
それはまるで手品のようで、ワクワクする。

 
と書いてある。(←他人ごとみたいな言い方になっているけど、14年前の自分は、同じ自分じゃないように感じる。)
そして、こうも書いてあった。
 

人は夢と現実の間で生き、社会と個人の間で揺れそこにバランスを見いだそうとする。
と考えると、中間を見いだそうとする事は、もともと備わっているものなのかもしれない、原始的に。
 
 
うーん、それは、どうなんだろう。少し強引な気がするぞ。(やっぱり別人だ)
まぁ、それほど中間に惹かれていたみたいです。
このマウスパッドは、円と四角の中間のスーパー楕円と呼ばれている形、
ストックホルムにある、セルゲル広場の形にも使われています。
 
 
マウスの下にはストックホルムの広場が、と考えると、なんだか楽しくなりませんか?
煮詰まった時は、公園でデートするカップルやジョギングに励むランナーを思い浮かべ
ふわっと和んで頂けたら…

 
だそうです。
 
キャメルとブラウンの革で制作し、online shopにアップいたしました。
よろしければ、ご覧ください。
 
ちなみにマウスは愛機M558です。(廃盤になっても使いたいので、予備をひとつ用意しているお気に入りです。)
 

mouse pad
size : w190×h165 (mm)
 
 
2025.2.28 | products

2025.2.28

小さな冊子「そこ 2」

そ こ  2

ここ と あそこ の あいだ

小さな冊子「そこ 2」が出来ました。



【目次】

 


「寄り添うとは一体」森永佐和子(tirupati)

「記憶とその周辺」森永祐史(tirupati)

「原風景の一点」山本綾乃(ankh)

「凧がいてくれてよかった」僕




今回もテーマや書く内容についての打ち合わせもなく、納期もなく、ただ、メールアドレスを共有し、個人的に書きたいことを書きたい時に書いてそこに送る。4人分集まったら、僕がレイアウトして、入稿するという前回と同じやり方で作りました。

僕のささやかな試みとしては、絵やイラストは、冊子のために描いたり、用意したりはせず、もともと持っていたものや、生活していて、目に入ったものを使うようにしています。身の回りで日常的に絵を描いたり、写真を乱撮するのは、子どもで、表紙の写真以外は、目に入った子どもの絵や写真です。

レイアウト作業をして、家に帰ったら、「これピッタリじゃん。」という絵に出会ったりします。なので、レイアウトする日、その日の気分や、たまたま目にしたもので、違うものになるであろうやり方でフワフワと作っています。

ある程度まとまったら、ちがう形にしようとは、うっすらと考えていましたが、その形に「雑誌」という言葉をあててみると、なんともワクワクしてきました。「さっし」が11(点々)で「ざっし」になる。まとめる冊数は11だな。個人で雑誌って作れるんだ。(勝手にそう呼んでいるだけだけど)雑誌の1ページが出来たら、冊子として見てもらって、まとまったら雑誌になるという無理のない作り方も、自分に合っている気がする。

どこまで、続くかは不明ですが、いろんな発見があったりするのが楽しいので、フワフワと細々と続けていこうと思っています。

これから、お店さんに冊子をお送りします。お近くのお店さんで、見かけたら、持ち帰っていただけたら嬉しいです。「そこ」を置いてくださっているお店さんは、こちらからご覧ください。

 

 

2025.2.28 | information そこ

2025.2.15

Relation のキーホルダー

 
Relation を充実させるべく、作り直しに適したキーホルダーを制作しました。
 
使い込まれた革を作り直す際に、縫いと、磨いて仕上げるという工程が入ることが、使い込まれた革の良さを引き出すのでは、感じていました。
これまでのキーホルダーは、縫いと磨きの工程がないので、縫いと磨きの工程が必要な形にと思い、制作しました。
作り直しのアイテムですので、元々の盤面のサイズで、使える革の大きさが決まってしまいます。ファスナーミニ財布Sだと、寸足らずでしたので、ファスナーミニ財布より大きいものから裁断できるようにしました。
 
 
いざ、素直に制作してみると、物足りなさを感じ、どうしたものか、と思い、テーパーをかけ、形に表情をうむことを意識しました。
 
「斜め」というテーマは、前にも意識して取り組んでいましたが、また同じ切り口が出てくることが面白く、いくつものテーパーの角度を試しました。
斜めの線は0.5mmでも表情がガラッと変わるので、いつものごとく、もりもり試作し、たくさん眺めながら制作を進めました。
このキーホルダーは太いところが12.5mmで細いところが、10mmで、左右に、ほんの1.25mmの差があるだけですが、そんな少しで表情のある形になってくれました。
 
いろんな材料が、作られなくなることも増えてきて、そんな素材の儚さを感じた時に、素材を使い切るべく、小さなアイテムを作ることが、ずっと頭の片隅にあったように思います。今回のキーホルダーが出来たことで、小さなアイテムの旅は、ひと段落したかなと感じています。
 
Relation用にと制作をはじめたものですが、いいものになりましたし、いろんな色で制作して、online shopにアップしています。
こういう小さなアイテムを作るのは、嬉しいことです。
 
key holder
size : w12.5mm
length : 100 mm (キーリング含む)
 
堅牢な革を貼り合わせ、リングをハトメに通した、シンプルなキーホルダーです。
ループは指に通したり、フックに引っ掛けて使えます。
ほんの少しテーパーをつけることで、小さいながら表情がうまれました。
 
online shopはこちらからご覧ください。
 
 
2025.2.15 | information repair

2025.1.22

キャメルとブラウンの革について

 
ANDADURAはキャメル、ブラウン、ネイビーの3色から、ベージュとネイビーの2色に切りかえますと、お伝えしてきましたが、キャメルとブラウンの革は、今後の修理に必要な革をストックしますと、残量が少なくなりましたので、受注生産はストップし、online shopでの在庫限りで終了となります。
 
キャメルとブラウンの2色は、お財布を裁断するには、部位の見極めがあり難しいですが、キーホルダーや小さなアイテムに使うには、たくさん残っていますので、素材がなくなるまで、作っていく予定です。
 
独立当初からANDADURAを支えてくれた色に、感謝しつつ、これからのベージュとネイビーの2色もよろしくお願いいたします。
 
 
2025.1.22 | information material

2025.1.21

Relation

 
使っていただいたお財布を、カードケースとキーホルダーに作りなおしました。
作り直して使いきるRelationという試みです。
 
 
 
ご要望は、カードケース1つとキーホルダー2つでしたが、ばらしたパーツを眺めていたら、中のパーツも活かしたくなったので、針穴も活かして裁断し、作り直しました。
 
 
修理やリレーションでお財布をお送りいただくことは、僕にとっては、お財布との(10年ぶりくらいの)再会なので、その時に、どんな気持ちで作っていたんだろうな、と作業をしながら思いを巡らせます。
 
その時、その時で、革の質感や、針のピッチなどは微妙に変わっていますが、手を抜いて作っているものが1つもない(あたりまえだけど)ということに、誇らしい気持ちになったりします。
 
修理して長く使っていただけることは、素直に嬉しく、リレーションで、昔作ったお財布と再会し、新たな形に作り直しできることは、作っていて満たされます。実験的にはじめた試みだけど、こんな気持ちの良いことは、しっかり継続させたいなと思います。
 
作り直したものを、「また頑張ってこいよ。」とお送りする時も、すごく気分がいいです。作っている本人が何かに励まされる。ほんとうにありがたいです。
 
 
2025.1.21 | repair

2025.1.21

修理の風景

1月はいくつかのお財布の修理をしました。

 



LGW09は、引き手交換の修理をしました。10年くらい使われているものですが、引き手以外の状態も良く、乾燥している箇所にオイルを入れてメンテナンスしました。

 

 
LGW05・ファスナー長財布は糸の縫い直し補修と、引き手交換の修理をしました。糸が擦れ切れている箇所があり、重ねて縫うと目立ちそうだったので、一旦すべての糸をほどいて、縫い直しました。
 
どちらのお財布も、使われている方の形になっていました。
 
 
LGW06・大容量財布は13年くらい使われていて、ホックのあて革が切れているのと、革自体の痛みもあり、今後10年は使いたいとのことでしたので、盤面交換を提案しました。
引き手も新しいものへと交換しました。
 
 
中のパーツは活かして使うので、もともと空いているパーツの針穴を、裏から表にうつして、その針穴を縫っていきます。
 
 
 
盤面を眺めながら、もともとの盤面でカードケースとコースターを作り、修理したお財布と一緒にお送りしました。
 
 
お財布を使われていて、不具合などありましたら、修理フォームより、お問い合わせください。
 
 
 
2025.1.21 | repair

2024.12.28

仕事納め

 

急に年末がやってきたようで、気がつけば仕事納め。
大掃除でもしようかと思ったけど、通常制作がしたいなと思ったので、
正月は旧暦を採用するとして、淡々と制作する。

今年は「しゃーない(しかたがない)」と「知らんがな」「まっ、なんとなく」という言葉をよく使った一年でした。

今年もありがとうございました。

 

 

2024.12.28 | note
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